ミツバチがミツバチらしく生きることができる環境とは?

2010.02.24 by Lazy Bee

昨年から国分寺でミツバチと一歩進めたお付き合いをさせていただいてわかったことがたくさんあります。
私たちはミツバチともっと仲良くなるために、「飼う」ことからはじめるのではなく、彼女たちの行動を知ることからはじめようと思いました。
都会の、国分寺の自然環境は果たしてミツバチにとって、どんなところなんだろう。
どんなふうに蜜と花粉を集めるのだろう。

私たちが巣箱を置いた場所は、たまたまなんですが、地形の谷の部分でした。

蜜源・花粉源を調べてみると、ミツバチは国分寺崖線と呼ばれる崖の上にある公園のクローバーやキバナコスモス、人家の庭にある百日紅を訪れていました。それは、彼女たちが集めた花粉と、何度も繰り返し周囲を歩きながら訪花を確認したことから、わかりました。

ミツバチたちは、1日に何度も蜜と花粉を求めて、花と巣の間を往復します。10回に及ぶこともあるそうです。

食料のあるところまで飛べるだけのハチミツをお腹に入れて、風にのって舞い上がり、蜜をたくさんお腹に貯めて、花粉団子を両足に付けて、帰りは下降しながら巣に辿りついていたのです。

巣箱の中は、中村先生が驚くほど元気いっぱいで、蜜も7月にはたっぷり採れていました。
国分寺の、あの場所は、少なくとも彼女たちにとって7月は快適な場所だったようです。

ミツバチたちだって、効率よく食料を集めたい。できるだけ楽して集めたい。

こんな単純なことに気がつかなかったなんて!
生き物なんだもん、人間と同じです。
彼女たちの寿命は、飛んだ距離、すなわちエネルギーを使っただけ短くなる。
花粉団子は人間でいえば大きなスイカを両手に持っているよりも重いぐらい。

小さな虫だから、はあはあ言いながら、飛んでいる様子なんてわからない。

最近、流行の高いビルの屋上養蜂はどうなんだろう。
ビルの谷間をビル風に煽られながら、「はあ、もうだめだ・・・」と思いながら、巣に辿りついているかもしれない。

どうして人間は、ちょっと想像力を働かせて、ミツバチの視点に立つということをしないのだろう。

どうしてハチミツが採れたことだけで、都会はミツバチにとっていい環境なんてことが言えるのだろう。
どんな根拠があるのだろう。
そんな疑問がふつふつとわきあがってきました。

ミツバチが、できるだけ楽をして花蜜や花粉を集めることができる場所、そんな場所をたくさん増やしてあげたい。

農薬との接点が多い場所に行かなくてもいいところをつくれないのか。
それが私たちにとっても、心地よい環境となる可能性も高いかもしれない。
私たちが住みたいとあこがれるような緑あふれる環境は、ミツバチにとってもいい環境なのかもしれない。

花を増やそう!という活動の中には、私たちの身勝手な思い込みはもうやめて、ミツバチだけでなく、すべての生き物の生存権を見直したいという思いがこめられています。

ミツバチが教えてくれたことです。

「ミツバチが姿を消したら、人類は4年以内に滅びる」とアインシュタインが予言したとまことしやかに言われています。

花だけでなく、農産物の受粉を担っている部分も多く、急激にミツバチが減少している中であながちウソだと否定しきれない状況があります。
花から蜜と花粉をもらいながら、花の再生産を助けている循環型の暮らしを500万年前から確立しているミツバチ。
そのミツバチを追い詰めているのは、紛れもなく私たちの生産活動であり、暮らし方です。

そろそろ飼うことから、ミツバチに何を返せるかにテーマを変えましょうよ!!!

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