ミツバチが直面している危機とは?

1979(昭和54)年には、養蜂家は11,785戸で、同年1月1日時点の届出蜂群数は326,292群でした。
30年後の2009(平成21)年には、養蜂家5,027戸,届出蜂群数は170,804群にまで減っています。
1979年を100とすれば、養蜂家数は43%、蜂群数は52%まで減少したといえます。
その背景にはなにがあるのでしょう?

農業構造上の要因

  1. 農地の花に高依存
  2. 農薬との接点増加
  3. 農薬による被害発生

生物学的要因

  1. 貧栄養状態・過労
  2. 病気への抵抗性低下
  3. 病気の発生・群勢の縮小

社会的要因

農業構造上の要因

農地の花に高依存

都市部だけでなく農山村においても自然の開発が進み、耕作地の農産物の花に花粉と花蜜を頼る状況になっている。

農薬との接点増加

イネやトウモロコシ、ミカンなどミツバチに交配を依存しない農作物では、花が咲いているときにも農薬の散布を行う場合が多い。

農地が複雑に入り組んでおりミツバチが巣箱から花に通う経路上で農薬に接触する可能性がある。

農薬による被害発生

殺虫剤は環境への付加を軽減するために昆虫に特定して毒性を示すものが増えているため、ミツバチに対しても影響が大きいものが流通している。

高濃度で散布可能な剤形の薬剤が花粉と一緒に持ち込まれる可能性がある。

ミツバチは若い働き蜂が巣の中で、古い働き蜂が外で働く。巣内で守られているはずの若い働き蜂が持ち込まれた農薬被害を受けると社会構造が崩れて巣全体の崩壊につながりやすい。

生物学的要因

貧栄養状態・過労

利用できる植物までの採餌距離が長くなり探索効率が低下、単一栽培の農地やハウス内での労働、ハウス内などでの長時間の使用などで過労を引き起こす。

花粉源・蜜源植物が春から初夏に集中する反面、真夏から秋には花が減少するなど季節的なギャップや花粉源植物の種類の減少などで栄養的な偏りができやすい。

病気への抵抗性低下

栄養の偏りや過労により病気への抵抗力が低下する。

病気の発生・群勢の縮小

栄養状態がよければ問題のないウイルス性疾患が発症しやすくなる。

全体に栄養失調傾向が続き、働き蜂の生産(増殖)が困難になる。

社会的要因